マイナス1歳から始める マタニティ歯科ってなぁに? -4-

◎妊娠中に歯科治療をして大丈夫なの?
 
 
hatto024 妊娠期間中の歯科治療は、安定期(妊娠3~7ヵ月)に集中して済ませてしまうのが理想的です。これに対して、流産や早産の危険を伴う妊娠初期と後期は、痛みなどを取り除くための応急処置にとどめます。
 
 
 治療を受ける際に一番気になるのは、お腹の赤ちゃんへの影響でしょう。まずレントゲン撮影についてですが、マタニティ歯科では基本的にレントゲン撮影を行いません。
 
仮に口腔内の状態を把握するために、レントゲン撮影が避けられない場合も、歯科で使うレントゲンの放射線量はごくわずかで、人が1年間に浴びる自然放射線量にも遠く及びません。しかも撮影箇所はお腹から遠く離れた頭部ですし、防護用のエプロンで腹部を守ることで、被曝のリスクはさらに軽減されます。
 
肉眼では判断がつかないレベルの「隠れ虫歯」については、レントゲンを使うことなく、最新のレーザーで発見することが可能です。局所麻酔に使う麻酔薬についても同様で、ごく微量であるため胎児への影響はほぼ皆無といってもいいでしょう。
 
とはいえ、最初から歯周病や虫歯にならないに越したことはありません。予防のためには日頃のセルフケアに加え、歯科医院での継続的チェックとメンテナンスは欠かせません。顕微鏡を使っての歯周病菌検査も効果的です。
 
最近は妊婦歯科検診を無料で行う市区町村が増えてきましたが、受診回数に制限があり、とても十分とはいえません(詳しくは各市町村へお問い合わせください)。
 
 
 愛するお子さんの歯を守り、お母さん自身もお口の悩みなく、笑顔で子育てに臨むことができるよう、マタニティ歯科を上手に活用してください。妊娠中の体に負担がかからないよう、全身を柔らかく包み込むようなふっかふっかなチェアーを完備しているクリニックもありますので、妊婦さんでも安心して治療が受けられます。
 
 
 また、初産のママは、生まれてくるお子さんのお口のケアを予習する場として、受診の際に、ガーゼ磨きの方法や歯ブラシへの慣れさせ方などを聞いてみてもいいと思います。
 
  
 私たち歯科医師にとっては、マタニティ歯科を受診された方が無事出産し、産後にお子さんと2人で来院され、元気な姿を見せてくださる時が、なによりもうれしい瞬間です。
 
  
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