高齢者は歯科検診に どれくらいの頻度で行くのがよい?-2-

知って利用しよう、訪問歯科診療
 
 
 歯科検診や治療を受けたくても、体が不自由だったり付き添う家族がいないなどで、通院が難しい方もいると思います。その場合は、訪問歯科診療を受けるという方法もあります。
 
 
 訪問歯科診療は、歯科医や歯科衛生士が自宅を訪問し、歯のチェックや治療をするというものです。治療費は、医療保険が適用され、年齢によって1~3割の自己負担となります。体に障害がある方は、要介護認定を受けている方も少なくないことと思いますが、その場合は介護保険の適用となります。
 
 
 訪問歯科診療は、まだすべての歯科医院で行っているわけではありませんが、まずはかかりつけの歯科医院に問い合わせてみましょう。かかりつけの歯科医院に訪問歯科診療をお願いできなければ、自治体の保健センターなどに問い合わせると、お近くの歯科医院を紹介してもらえるかもしれません。
 
 
 今、日本では、悪性新生物(がん)、心疾患に次いで肺炎が三大死因の一つとなっていますが、肺炎で亡くなる人のほとんどは高齢者。高齢者は、噛んで飲みこむ機能がダウンしていることなどから、栄養状態がよくなかったり、唾液の中の細菌が誤って気管に入ってしまい肺炎になる誤嚥性肺炎になったりすることがあるのです。
 
 
 お口のケアをきちんとすること、歯の状態がよくて何でも食べられることは、誤嚥性肺炎を予防する観点からも大切なのです。
 
 
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注:死因分類の改正により、年次別比較には完全な内容の一致をみることはできない。
●死因名等は第10回死因年次推移分類による。
●1972年までは沖縄県を含まない。
●1994年の心疾患の減少は新しい死亡診断書(死体検索書)(1995年1月施行)における「死因の原因欄には、疾患の終期末の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないで下さい」という注意書きの、事前周知の影響によるものと考えられる。
(資料)平成22年人口動態調査
 
 

COLUMN
◎全身疾患につながる怖ろしい歯周病
 
 
◆(脳)脳梗塞
重度の歯周病がある場合、歯周病がない人に比べて発病する危険が高いことが報告されています。
 
 
◆(肺)誤嚥性肺炎
歯周病原因菌の混じった自らの唾液や消化管内容物を吸引したり、誤嚥したりすることによって肺炎を引き起こす可能性があります。
 
 
◆(心臓)細菌性心内膜炎・狭心症・心筋梗塞
歯周病菌が血液中に入り、心臓の弁やその周囲に感染をして心内膜炎を引き起こしたり、血管壁に炎症を起こして動脈硬化を誘発します。
 
 
◆(血液)糖尿病
歯周病によって発生する毒素が血液中に入り込み、インスリンの機能を阻害して、糖尿病を悪化させることが指摘されています。

 
 
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