◎治療の基本はプラークを取り除くこと
歯を失う原因ともなる恐ろしい歯周病、薬を飲むだけで、あるいは薬剤をお口に含んでうがいをするだけで治すことができれば、と願う人も少なくないかもしれません。
歯周病の原因となる菌に対して効果がある薬も開発され、内科的な治療も一部では行われています。アジスロマイシンという抗生物質を服用してもらい、菌の数を減らすのです。顕微鏡でどのような菌が多いか確認し、その菌によって薬を選択して内服し、その後歯石取りを行うものです。
しかし、現在の歯周病治療は外科的な処置が主流です。歯周病治療の基本は、原因となるプラークや歯石(プラークが石灰化したもの)を取り除くこと、これに尽きます。
初期の段階であれば、正しいブラッシング法を身につけ、食べカスやプラークを歯磨きできちんと落としていけば、歯茎の状態は徐々に回復していきます。歯石がついていたら、スケーリングといって、専用の器具で超音波振動で取り除く処置を行います。
歯周ポケットが深ければ、定期的に歯周ポケットの奥のプラークや歯垢を専用器具で取り除くルートプレーニングという治療を行います。
あまり進行していない歯周病であれば、ルートプレーニングで改善しますが、回復しなかった場合は、取り除けなかった歯垢や歯石があるということですから、歯茎を切って歯の根を出し、取り除けなかった歯垢などを徹底的に取るフラップ術という外科手術を行います。
◆スケーリング
スケーラーという器具を使って歯の表面や歯周ポケットの浅い部分の歯石を除去する。
◆ルートプレーニング
スケーリングで取り切れなかったもっと深い歯周ポケットや歯肉に隠れた部分の歯石を除去する。