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自分を守るための医院環境を考える-1-

◎使い捨てと滅菌で感染原因を排除する
 
 

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頻繁に触るライトには、しっかりとビニールを掛けて、直接触らないようにします。もちろん、患者さんごとに変えます。

 歯の治療には出血がつきものです。歯周ポケットの深さを測るだけでも血が出ます。何をやっても感染のリスクが高いというのが他の科と違うところです。歯科にとって、相互感染のリスクを減らすことは最重要課題です。
 
 
 感染のリスクを減らす一番の方法は、器具や道具を使い捨てにすること。私の診療はミラーもピンセットもすべてディスポーザブル( 使い捨て)製品を使用しています。エアタービンや超音波スケーラーなどの治療器具も使い捨てにしたいところですが、20万円ぐらいと高額です。使い捨てにできない器具類は滅菌レベルを上げることにより、感染リスクを回避します。歯科医院で一般的に行われているアルコール消毒では、菌を殺すどころか消毒としても不十分です。治療器具は高温高圧の飽和水蒸気による「オートクレーブ滅菌」処理のうえ、個包装しています。これによって口の中の細菌やウイルスがほぼ確実に死滅し、保管時にも滅菌状態を保てます。しかし、気圧が高い蒸気の中に器具を入れるので器具の劣化が激しく、頻繁に取り変えなくてはなりませんし、使い捨てのゴミも増えました。
 
 

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お口の中を見る使い捨てのデンタルミラー。

 これだけの感染予防を維持するためには、1人当たりにかかる準備時間もかなり増えます。当然ながらコストもかかります。当初1日の診察患者数を増やすことも考えました。しかし、患者さん1人1人にかけられる時間が減少することで、診療内容が手薄になるのでは本末転倒です。私の考えるレベルのきわめて安全な歯科医療をご提供させていただくために、患者さんにも感染予防のための費用と時間をご負担いただいています。安全な歯科治療環境の中で治療や予防をしていくことは、どうしても診察できる患者さんの人数が減ることにつながります。しかし、結果的には、患者さんと我々医療従事者とが生涯を通じて、快適な関係でいられることになるのではないかと思います。
 
 

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お口の中に入れる器具類も、患者さんごとに滅菌されたものに変えます。保護カバーも一緒に変えます。

 患者さんが不潔と感じたら、その歯科医院での治療を受ける気にはならないでしょう。歯医者は環境をよくするために努力しなければいけませんし、患者さんのほうも自分を守るためにはある程度の出費が必要です。また、院内感染など命に関わる問題を起こす原因をできる限り除去して院内環境を整えるには、現行の保険診療の範囲内では無理が生じますがから、制度自体の見直しが必要だと思います。
 
 
 院内感染の問題がニュースなどでも、頻繁に報道されております。すべての医療機関において、より確実な感染予防対策が必要であると実感しています。
 
 

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