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保険診療の限界-2-

◎将来の健康まで考えた治療を
 
 
 保険医療制度は、戦後の日本の苦しい時期に、すべての日本国民が最小の負担で医療を受けられるように始められた制度です。この制度自体は、日本が復興していくために不可欠だったでしょうし、とても素晴らしい制度だと思います。しかし、それから何十年も経った今も歯科治療においての保険医療はあまり進歩せず、海外では今や過去のものとなった治療を続けています。
 
 
 自由診療とは、保険制度の枠にとらわれずに、あなたの将来の歯やお口の健康を考えて、あなたのための治療をすることです。その場しのぎの治療にせず、遠い将来のことを考えて綿密に治療計画を立て、十分に時間をかけて治療します。それが、患者さんのお口の健康を守るために最良の予防だと思います。これは、保険治療では使えない白いセラミックの被せものを入れるといった単純なものではなく、10人いれば10通りの治療方針を立てるということです。歯医者の中にも、材料を変えること、すなわち銀歯を白い歯で治療する行為を自由診療だと思っている人がいます。何とも情けない話です。
 
 
 特に、虫歯などで歯にダメージを受けてしまった場合でも、倒れた土台(歯)を矯正治療で立て直し、そのうえで行う補てつ治療(かぶせものや義歯の治療)は、非常に有効な治療で、本来の歯の機能を回復させるのに威力を発揮します。保険治療では矯正治療ができませんから、この場合、倒れた土台を立て直すことなく治療することになります。それも1つの治療の方法でしょう。しかし、将来を見据えて、より健康的で美しいお口の中になりたい方であれば、そのための方法が他にもたくさんあることを知ってほしいと思います。
 
 
 歯はその1本で用を為すものではなくて、他の歯、筋肉、神経、骨などと協調し合って、初めて本来の機能を発揮します。歯は常にいきいきと躍動し、朝と夜でも違い、生活環境によっても変化しています。歯科診療はとても繊細なもので、安全で健康的に行われなければなりません。患者さん個々の状態に合った治療計画を立てて治療するのが、本来の医療のあるべき姿なのです。
 
 

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