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非抜歯矯正治療症例集-4-

●開咬
 
 
 前歯が咬み合わない状態を治療するのは非常に難しいとわれてきましたが、現在では比較的治療しやすい咬み合わせになってきました。従来、前歯が咬み合わないのを治すには、前歯を引っ張り合って近づけるようにするしかないと思われていました。ですから、その離れている距離が大きい場合は、小臼歯を抜いて歯列全体の距離を縮めて上下の距離を短くしたり、アゴの手術をするしかないといわれてきました。このような手法は対症療法的でした。しかし、開咬の原因を考えていくと、それらの手法では根本的には治らないことがよくわかります。他の不正咬合と同様に、やはり原因は奥歯にあります。横から撮影したレントゲンを見るとよくわかります。本来、上下の歯が咬み合っている場合、咬み合わせの面は一つですが、開咬の場合、咬み合わせの面が2つあります。それは、上下の全体の歯が咬み合おうとする力よりも、奥歯が斜め前に向かって出てくる力が大きい場合に起こります。また、咬み合わせの力が奥歯に集中するので、アゴの関節に負担が大きくなります。アゴの関節の機能検査をしたうえで、咬み合わせの面をどの角度に設定し、1つの面にするかを決めなければなりません。
 


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 写真のケースでは、親知らずの影響で、奥歯が前へ倒れてきて、前歯がそれにならってすべて前倒しになっています。また、下アゴは後方へ引く筋肉に引っ張られて下がっていく傾向がありました。アゴの関節への負荷を減らす目的も加えて、倒れている歯を正しい方向に立て直し、咬み合わせの面をアゴの動きから計算した角度に設定していくと、自然と前歯が咬み合うようになります。

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