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キレイのために犠牲にされる健康な歯-3-

◎歯を削った結果何が起こるのか?
 
 
 次頁の図は、出っ歯の審美治療の例です。歯を矯正治療で移動させるのではなく、歯を削って見た目を揃えると、歯の根が割れるというトラブルが高い確率で起きます。歯の根が割れると治しようがありませんから、結局抜歯することになります。失った歯はもう取り戻すことはできません。でも患者さんはそんなことは知りませんから、その場で歯がきれいに並んでうれしいと思うのは当然です。
 
 
 これが、私が実際に行った、削ったり抜いたりして健康な歯を犠牲にし、形をキレイにまとめていく審美治療の現状です。これの何が「治療」なんでしょうか?
 
 
 要は、見た目の歯並びをよくするわけです。「自分の歯」である必要はありません。何せ、見た目だけなのですから。私がこの方法に否定的なのは、健康な歯を削って抜いて、見た目を改善させるということです。しかし、虫歯などで自分の歯がボロボロになってしまった場合は、そのための修復治療が必要ですから、この限りではありません。
 
 
 患者さんに早く見た目を治したい、といわれればそれに応えたいという気持ちはわかりますが、それだけではよくないことだと私は思います。結果としてどんなことになるかを知っているからです。歯は体の一部です。安易に歯を削ったり、抜いたりして、簡単に歯並びを変えるのは、大変危険だということをぜひわかっていただきたいのです。
  
 
 出っ歯を横から見たところ。矯正では歯の根ごと動かして、歯の角度を変えて軸をまっすぐにします。多くの審美治療では、歯の位置を変えずに歯を削ったり足すことで見た目にフラットにしていきます。
軸は屈曲したままなので、下の前歯と咬み合わせたとき、上の前歯を突き上げます。
 歯の神経を抜いているので歯の根ももろくなっているため、簡単に歯の根が割れてしまうのです。
後述しますが、アゴの関節の動きを無視した前歯の治療は、トラブルが非常に多く発生しますから、要注意です。


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●本来の歯の軸の方向と違う被せものを入れた場合に起きるトラブル

 歯の本来の方向と違う方向に噛む力が伝わるため、神経を取ってもろくなった歯は、ヒビが入り、力が限界に達したとき残っている歯の根は割れてしまう。
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