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「歯が命」のほんとうの意味を考える-3-

◎歯と脳の関係
 
 
 歯は食べものを噛むための道具ですが、噛む運動は脳に刺激を与えて活性化し、脳の発達を促すことがわかっています。
 
 
 脳と歯、アゴは近い位置にあって頭蓋骨の中におさまっています。アゴは顔面頭蓋の中でも最も大きく動く場所。噛むことによる刺激は、歯根膜がセンサーとなって脳に伝わります。乳歯の時期に硬いものをよく噛んで食べることは脳の成長、発達、血行を促します。
 
 
 もちろん、大人にとっても歯と脳の関係は重要です。
 
 
 日本福祉大学が歯の状態と認知症発症の関連を分析するため(主任研究者:近藤克則教授)、愛知県に住む65歳以上の健常者に対し、2003年から4年間にわたり、認知症の認定を受けたか否かを追跡しました。その結果、年齢、治療疾患の有無、生活習慣などにかかわらず、歯がほとんどなく義歯を使用していない人、あまり噛めない人、かかりつけ歯科医院のない人は、認知症発症のリスクが高くなることが示されました。特に歯がほとんどないのに義歯をしていない人の認知症発症リスクは、20本以上歯が残っている人の1・9倍、なんでも噛める人に対してあまり噛めない人の認知症発症リスクは1・5倍と、歯を失うことや噛めなくなることによって発症リスクが高まることがわかりました。
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 研究グループはこの原因として、歯を失う原因となる歯周病などの炎症が、直接脳に影響を及ぼすこと、噛めなくなることによる咀嚼機能の低下が脳の認知機能の低下を招いているという可能性を示唆しています。自分の歯でしっかり噛むことが、脳の老化を防ぐのですね。
 
 
 
 
 
 

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