虫歯の治療にはどの段階で行く?
皆さんが「歯医者に行こうかな」と思うタイミングはいつでしょうか。「ズキズキと痛む歯があるから、そろそろ行こうかな」と痛くなってから、受診しようとしていませんか?
しかし、そのタイミングでの受診は、歯医者という立場からはおすすめできません。
子どもの頃、歯の定期検診で、歯医者さんが「C1(シーワン)」「C2(シーツー)」などと言っているのを聞いたことがあると思います。これは、虫歯の進行度を表す言葉で、「CO(シーオー)」から「C4(シーフォー)」までの5段階に分かれています。
「C」は「Caries(カリエス=虫歯)」の頭文字です。COの「O」は「Observation(オブザベーション)」の頭文字で、要観察の意味です。歯のエナメル質が一時的に溶けて白く濁っている状態で、この段階であれば再石灰化し、自然に治る可能性があるので、しっかりお手入れをすれば治療は不要です。フッ素の塗布やシーラントで様子見をします。
C1はそれが進行し、エナメル質に穴が開いた状態です。治療が必要になる場合もありますが、この段階ではまだ痛むなどの自覚症状はありません。
C2は、エナメル質を突き破り、象牙質まで進んだ状態です。ここまで進行すると、冷たい水などがしみるようになります。甘い物を食べると痛みが出ることもあります。象牙質はエナメル質と違い軟らかいので、放置すると虫歯が大きく広がる危険性があります。
◆虫歯の進み方
<CO>
歯の表面が白く濁っています。痛みもしみる感覚もまだありません。丁寧にプラークを取り除くことと、フッ素を塗布することで、元の健康な歯に戻すことが可能です。
<C1>歯の表面が白く濁ったり黒く見えることもあります。ほとんどの場合、自覚症状もなく、この時点で治療をすれば痛みもなく終わります。
<C2>時々冷たいものがしみるようになってきます。この時点で治療をすれば、神経を取る必要がなくなることが多いです。
<C3>冷たいものだけでなく、温かいものでもしみるようになり、激しく痛むこともあります。神経を取るなどの処置が必要になってきます。
<C4>歯茎が大きく腫れ炎症がひどくなり、口臭も気になってきます。神経の治療ができる場合もありますが、多くの場合には歯を抜かなければならなくなってしまいます。