えっ? こんなところから 歯が生えてきちゃった! どうしよう… -2-

◎子どもの矯正には「Ⅰ期」と「Ⅱ期」があるのです
 
 
 小児の矯正治療は、乳歯から永久歯への生え変わり時期に行う「Ⅰ期治療」と永久歯が生え揃ってから行う「Ⅱ期治療」の大きく二つに分けられます。
 
 
 Ⅰ期治療は、歯の土台となる骨格を整えるための治療です。対象年齢は6~12歳頃までで、この時期は顎の成長期とも重なり、まだ骨も軟らかいことから、マウスピースやフェイシャルマスク(上顎前方牽引装置)、床矯正装置などを使って顎の骨を広げ、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保します。本来はⅡ期治療の準備として行いますが、うまく永久歯を誘導することができれば、Ⅱ期治療そのものがいらなくなることもあります。
 
 
 これに対してⅡ期治療は、ワイヤーを使って歯並びをきれいに整えるための治療で開始時期は12歳頃から。中学生以上は大人も含めて、この治療になります。乳歯の残っている時期に相談に来たケースであっても、Ⅰ期治療を行うメリットがないと考えられる場合は、あえて永久歯が揃うまで待つこともあります。
 
 
 ただし、受け口(下顎前突)についてはⅡ期治療が不可欠な場合が多いので、3歳くらいからは特に注意してみてあげてくださいね。ムーシールドといって、取り外しのできるマウスピースを就寝中など家にいる間だけつける治療法があります。これは歯型をうまく取れない低年齢向けの治療法なので、3歳頃から開始できます。
 
 
 いずれにしても子どもの矯正は見た目の美しさだけではなく、物の食べ方や話し方の改善、虫歯や将来における歯周病の予防などにもつながります。子どもの歯並びが気になるようでしたら、将来を考慮し、一度歯科医院を受診してみましょう。
 
 
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