~予防歯科とは~ -2-

◎予防歯科の意義は「全身の健康を守ること」
 
 
「噛み合わせが悪いと、動脈硬化につながる」(2013年6月・大阪大、東京都健康長寿医療センター)、 「奥歯を失うと、これまでとは異なる仕組みでアルツハイマー病が悪化」(2013年7月・広島大)、「歯周病は……第6番目の糖尿病合併症、歯周病治療によって……血糖コントロールが好転」(厚労省・e—ヘルスネット)。怖い言葉が並んでいますが、いずれも歯の健康が全身の健康と直結していることを指し示しています。
 
 
 最近でこそ、歯周病が全身疾患の危険因子であることがある程度周知されてきましたが、それでも成人の約80%が歯周病にかかっているという現実があります。さらに日本の80歳の方に残存している歯の本数は平均約10本です。それに対し、スウェーデンでは平均20本、アメリカでは17本です。この違いはどこから生まれるのでしょう?
 
 
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 実は欧米諸国と日本では歯科定期検診の受診率に大きな差があります。予防歯科が進んでいるスウェーデンでは、歯科定期検診の受診率は全国民の80%以上です。また、他の欧米諸国でも70%ほどの受診率を保っています。これに対し、日本の受診率はなんと10%未満。いつまでも自分の歯でおいしく食事ができるように、また全身の健康を保つためにも、いかに定期検診で歯科疾患を予防していくことが大切か、おわかりいただけると思います。
 
 
 「年を取ったら歯が抜けるのはしょうがない」、長い間このように考える人が多くいたと思います。しかし歯を失う2大原因である虫歯と歯周病は、ともに細菌による感染症。ですからミュータンス菌に代表される虫歯菌や、プラーク(歯垢)に棲みつく歯周病菌に適切に対処さえできれば、いくつになっても歯を失うことはないのです。
 
 
 しかし「歯や口腔に異常を感じている人は62・7%なのに、現在歯科で治療中の人は全体の11%にとどまる。具体的な痛みや目に見える現象を実感しない限り、歯科を受診しない人が多数を占め……検診や歯石除去、歯周病治療を目的で受診する人は少ない」(2010年1月 日本歯科医師会雑誌Vol.62)というように、まだまだ予防のために歯科を受診する人は少ないようです。
 
 
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 インフルエンザなどと同じように、細菌感染症である虫歯や歯周病も、自分が歯を失うだけでなく、口うつしなどを通じた母子感染など、周りの人にうつしてしまう可能性があります。
 
 
 「予防に勝る治療はない」といいますが、早期治療、早期予防の大切さを理解し、定期的な歯科検診を心がけるようにしてください。予防はお金や時間を節約できるだけでなく、何より怖い、痛いということがないのですから!
 
 
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