◎4人に1人が8020を実現
かつては、老化に伴って歯を失っていき、高齢者になると入れ歯を使うのが当たり前、歯は一生持たないもの、というイメージでした。しかし、厚生省(当時)と日本歯科医師会が、80歳まで20本の歯を残そうという「8020運動」をスタートさせてから25年。80歳になっても自分の歯で食べることは、夢物語ではなく、現実的な目標にできるという認識になりつつあるのではないでしょうか。
事実、厚生労働省から2007年に出された健康日本21中間報告によると、80歳で20歯以上自分の歯を有する人の割合は25・0%と実に4人に1人。60歳で24歯以上自分の歯を有する人の割合は60・2%と、目標値である「50%以上」を10%も上回っていました。高齢になっても自分の歯を多く残している人は増えているのです。この背景には、歯への意識が高まり、適切なお手入れと治療をすることで、虫歯や歯周病で歯を失う人が減ったことや、歯科医側もなるべく抜かずに治療をするようになったことなどがあげられるでしょう。